こんにちは!ameashi(アメアシ)です。
最近特にハマっている『ザ・ファブル』という漫画があるのですが、ある話が『子供の経験』について考えるきっかけになったので、記事を書いてみたいなーと思った次第です。
また、バイオレンス要素がある漫画なので、その点もご注意ください!
ザ・ファブルとは?
あまりの強さに「ファブル(寓話)」と呼ばれるほどの殺し屋『佐藤 明(以降:明)』がボスの命令で1年間殺しをせず、一般人として大阪で生活する物語です。
そうはいっても、ボスに用意された家がヤクザの持ち物だったり、そりゃトラブルに巻き込まれるよね〜という状態で物語は進行します。
予想通りトラブル続きになりますが、相手は普通に銃を使ってくる状態で殺しをせずどうやって解決するか?も見所のひとつです。
また、明は『殺し』に特化している分、それ以外の一般常識が欠如しています(枝豆の皮を食べたり、橋から飛び降りたり)
殺し屋という仕事についても、葛藤の末割り切って行なっているという訳ではなく、純粋な子供が時に残酷なことを平気でするように、特に疑問を持たずに行なっていた印象を受けます。
明がヤクザの若頭に「命とは何か?」と問われるシーンがあるのですが、
うまく言えないが、飼い始めたインコは大事に育てたいと思っている
という回答をしていました。
その後も身近な人が亡くなった際に「誰も死んでほしくなかった」と発言するなど、人との繋がりの中で「命」について学んでいるように見受けられます。
日常生活では、ちょっと抜けた発言をする明と他キャラクターとの掛け合いが、とてもほのぼのとしていて面白いです。
徐々に人への気遣いなども増えてきているので、1年間の一般人としての経験を経て、明がどういった結論を出すのか今から楽しみです。
『貝くん』のストーカー事件
さて、今回はストーカー男『貝くん』をメインに『子供の経験』について書いていきます。この話を読んでから、夫には子供の行動を不用意に止めそうになると「貝くんになっちゃうぞ!」と言われます笑
9巻〜11巻に収録されているので、気になるかたはぜひ読んでみてくださいね。
登場人物
『貝くん』のストーカー事件に関わる主要人物だけを紹介したいと思います。
佐藤 明
伝説の殺し屋本作の主人公。
一般人としての生活を満喫中。
バイトの時給は800円〜。
ミサキ
元グラドルバイトの同僚。
親の借金の返済のためにバイトをかけもちする苦労人。
貝くん
ストーカーバイトの同僚。
親に甘やかされて育ち、責任転嫁にかけてはプロの腕前。
ウツボ
悪い人興信所の肩書きを上手く使い、15年前から『ニワトリ』を育てている。
※本作ではちゃんと人間です。
あらすじ
『貝くん』は同じバイト先のミサキのストーカーをしており、盗聴や盗撮、不法侵入して下着を被ったりとやりたい放題。
ある日、ウツボが15年前から進行している計画に『貝くん』は命を狙われることになります。
子供が過保護で育つように仕向け、陥れやすい免疫力のない大人(ウツボはニワトリと呼んでいる)になったところで、何らかの理由をつけて過保護な親から大金を巻き上げる。
ウツボは手始めに、興信所が得た『貝くんがストーカーをしていた証拠(一部はウツボの捏造)』を世に出さないことを条件に、貝くんの母親から大金を巻き上げます。
ストーカーをしていた事実がバレた『貝くん』は、母親に失望されたことや、思い通りにいかない現実を全て他人のせいにして、ミサキへの暴行を企てます。
ミサキさえいなければ、僕の人生はこうなっていなかった
職場で犯行に及ぼうとしたため、明に返り討ちにされるのですが、一瞬の隙をついて逃亡。
玄関から出たところでウツボに誘拐されてしまいます。
ウツボは『貝くん』を失踪させることで、母親から大金のおかわりを狙っているため、絶体絶命のピンチに・・・!
腐っても同僚なので 明が救出に動きますが、努力の結果むなしく『貝くん』は息を引き取ってしまいます。
『貝くん』のストーカー事件は、11巻にて『貝くん』が亡くなったことで幕引きとなりますが、ウツボの計画は13巻まで続くので、非常に読み応えがあります。
『子供の経験』について
問題はなぜそのように育ってしまったのか?という点ですが、作中でウツボはこのように語っています。
・ポルノや差別用語など傷つけるものから子供を守る
・現実に気づかせちゃダメだ
つまり、『貝くん』は傷つくような『困難な経験』をしていないので、現実で起こりうる出来事を自分の力で乗り越えることができず、ひたすら現実から目を背ける大人になってしまったようです。
親として感じたこと
ウツボは間接的に働きかけましたが、実際に『貝くん』から『困難な経験』を遠ざけたのは母親なんですよね。そこに愛情はあれど悪意はありません。
善意の行動が、子供の成長を阻害してしまうというのは、一児の親として非常に考えさせられました。
私自身『困難な経験』があったから、失敗しても諦めないこと、他人の失敗を許容することを学べたと感じています。
ただ、そこで味わった辛さというのも知っているため、子供が困難に立ち向かう時、自分を重ねて辛く感じてしまう気がします。
たとえ辛く感じたとしても、感情のまま抑止するのではなく『止めるべき経験』か『見守るべき経験』か冷静に立ち止まって考えてみる必要がありそうですね。
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございます!
原作は1巻〜最新刊まであっという間に読んでしまうほど面白いので、興味がある方はぜひ読んでみてください。